この前ふと思い出した。
昔、僕は出来ればいつも綺麗な
水のそばにいたいと思っていたのだ。
よく釣りに行っていた湖の朝靄が掛かる
湖面にボートをこぎ出すと、柔らかい
粘土の上のように滑らかに進む。
ボートを漕ぐ音、水が跳ねる音しかせず、
それは静かだけど、とても刺激的な場所だった。
魚が掛かりバシャバシャと巻き上げる水滴に
太陽が当たり始めるとキラキラと水銀のような
光を放ってしばらく頭から離れない。
この前、雨上がりの水溜まりに反射する光を
見て思い出した、そんな日々を過ごしたシアトルに
シトカの帰りに偶然行くことが出来た。
その時に食べた蟹はボリュームもあったけど、
何よりシンプルで甘くて美味しかったなあ。
あの頃はこれからどこに向かって行けば
いいんだろう?って、とにかく今と違う場所を
必死になって探しているような日々を過ごしていた。
食べながら昔の事を思い出したりしたけど、
今なら自分が求めてるもの、必要ないものが
良く分かる。
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