2011年4月14日木曜日

ありがとう

僕のうちの庭には柿の木がある。

亡き父が植えていつの間にか立派に育ち、
毎年秋になるともう食べられないっていう
くらい沢山の実を付けていた。

去年の秋、中々庭の手入れをする時間が無く、
柿の木に虫が付いてしまった。

ご近所付き合いというのは難しく、
その虫を見つけた近所の方々が
早く対処したほうが良いとか、
もっと短く切ったほうが良いとか、
色々言ってきていた。(らしい)

しばらく聞かないふりをしていたら
今度は嫁いで自宅にはいない姉に
連絡をしてきて、同じようなことを
言ってきた。(らしい)

結構短気な僕は、その時すでに
沢山の実を付けていた柿の木を
これ見よがしに、その実ごとザクザクと
切ったのだ。


秋になると実る柿の実を沢山抱えて
玄関から入ってきた父の姿と一緒に
切り落としてしまったようで。

自分の大切なものを切り落としてしまったようで。

もう2度と柿の実はならないんじゃないかって
思うと、自分の短気さを悔やみ、取り返しが
付かないことをしてしまった気がしていた。


ところが、2日前雨戸を開けるとその柿の木から
小さな芽が出ていた!





















それは自分の大切なものを取り戻せた
ような気がする柔らかい出来事だった。


自然はとても大きな力で我々をねじ伏せる
こともあれば、前向きにさせてくれることも
あるのだ。

そして新しい一歩を踏み出す勇気もくれる。

ありがとう。

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