2011年9月16日金曜日

大好きな本を読むような

スピリットベアー観察ツアーは無事に
目的の白い黒熊を見ることが出来た。

それも最後の逆転ホームランのような形で。。


日本を発ってからの日々は・・・・・

嵐で飛行機が飛ばない
やっと現地に入っても、ボートが故障してしまう
念願のスピリットベアーが現れない日が1日、2日と続く

そんな毎日は気持ちの奥の方を少しずつ絞っていく。

それでも前向きになれたのは、みんなの目的が
同じだったからだろう。

3日目も午前中が終わり、待つのはやめて
こちらから探しに行った時から流れは変わった。


その時は突然訪れた。

滝までハイキングをして黒熊の親子を発見し、

















しばらく見て戻ろうとしていた時、メンバーの一人が叫んだ。

『 いたー! 』

『 今、後ろを白いのが横切ったの! 』

距離にして5mくらいの場所だ。

『 あっちに行った! 』

少し声が震え、大きな岩の向こう側を指している。

僕も少し震えながら、行ってみましょうと岩場を
乗り越えるためにメンバーの手を取り、大きな
岩の上に登った。

どこだ? 

しばらく待っていると滝の向こう側に白いクマが
ゆっくりと現れたのだ。

















ずっと頭の中に思い描いていた登場の仕方よりも
それは衝撃的だった。

何しろ、僕たちのすぐ後ろを音もなく通り過ぎ、
それに気が付かなければ見過ごしていたかもしれないのだから。

動画を撮影する手が震えて上手く撮れないと
嬉しそうに言いながら体を硬くしているメンバーを見て
僕は心から思った。

この仕事をしていて本当に良かったって。

その後、元々待機していた場所にもこの白い熊は現れ、
同時に違うスピリットベアーも現れたりして、結局
沢山の黒熊と3頭のスピリットベアーを観察することが
出来たのだ。
































何処に出かけても思う。
今度はいつ来る事が出来るだろうって。

感傷的な言い方だけど、何にでも終わりがあるのを
知っているからこそ、貴重な時間だ。

それは、大好きな本の残りページが少なくなって
来たときの寂しさに似ている。

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