2011年8月11日木曜日

さあ、行こう

オオカミのツアーでは、残念ながら完全に
満足いく結果は得られませんでした。
巣穴で子供たちを見ることが叶わなかったのです。

ご参加いただいた皆様、期待に応えられずに
本当にすいませんでした。


そこまで飛行機を4回乗り継ぎ、トラックに揺られ、
ボートに乗ってやっと辿り着いた大きな湖の
ほとりにキャンプを張りました。

僕たち以外の人間には会うこともありません。
猛烈な蚊と白夜の日射しに歓迎されながら
過ごした日々が今でも頭から離れないのは、
あそこまで行った者にしか感じる事が出来ない
旅だったからだでしょう。

反省や悔しさだけでは語れない思いが今も
心を占めています。


それでも今は夢を見ることを辞めたくはないと
思っています。

それは僕も皆さんも扉の向こう側を知ってしまって
いるからだと思います。


こんなことがありました。

クタクタになって辿り着いたオオカミの巣穴に
近付いた時、母親が現れました。














彼女はモノトーンのツンドラの世界で光輝いていました。
思い入れもあったから、ちょっと神々しくさえ見えました。

北極オオカミです。

そしてこちらに向かって吠えながら近付いたり離れたりを
繰り返し、ついには遠吠えをしたのです。












遠吠えだけは聞いたことはありましたが、
その姿を目の当たりにした時、体に痺れに近い衝撃が走り
暑かったにもかかわらず、鳥肌がたち肌寒くさえ感じました。

少なくとも僕には自分の夢の扉が開いた事がはっきり分かった
瞬間でした。
驚きやら喜びやら色んな感情が入り交じった顔で、
ツアーを手伝ってくれたガイドの友人を見ると
彼女も同じ表情をしていたのです。

きっと僕たちはこんな瞬間を知ってしまっているのです。



ツアーが終わって1ヶ月近く経ち、星を見たり、
暖炉の炎を眺めたりしながら考えたこと。





















それは諦めずに前に進もうって事。

そう思えるように支えてくれた全ての事に
心から感謝します。

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